
「検索結果で上位表示したいけど、どんなコンテンツを作ればいいのかわからない」と悩んでいませんか。クリニックにとって、コンテンツSEOは成果を出すために重要な施策です。
「コンテンツSEO」とは、ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツを通じて、検索エンジンからの評価を高める手法です。ただキーワードを詰め込むのではなく、価値のある情報を提供することが求められます。検索意図に合った高品質なコンテンツを作ることで、アクセス数やコンバージョン率を大幅に改善することが可能です。
適切なコンテンツ戦略を取り入れられれば、検索結果の上位を独占し、競合との差を大きく広げるチャンスがあります。この記事では、コンテンツSEOの基本から実践的な手順まで解説します。

医療ライターうさぎ
元理学療法士の医療ライター。医療・美容のSEO記事を中心に執筆。そのほか、SEO対策、メルマガ、LP、など幅広く執筆。これまで350記事以上執筆し、医療記事の上位表示、強調スニペット獲得などの実績がある。ポートフォリオはコチラ
コンテンツSEOの目的
検索エンジンでユーザーニーズを満たす質の高いコンテンツを作成し、集客・売上の増加を目指す施策です。自然検索からの流入に始まり、最終的にはコンバージョンを発生させることを目的とします。
Googleは、ユーザーファーストのコンテンツを推奨しており、ユーザーの悩みや疑問を解決するコンテンツ作成が重要です。加えて、コンテンツの独自性と専門性も必要になります。独自性は、体験や経験などを指し、専門性は信頼できる情報源の引用、記載内容の信頼性を示すことが重要です。
クリニックでは、特に信頼性のあるコンテンツが大切です。
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い
コンテンツSEOとテクニカルSEOは、よく混同されやすい施策です。具体的な違いを「目的」「対象」「具体的な手法」の3点について解説します。
コンテンツSEO | テクニカルSEO | |
目的 | ユーザーに価値ある情報を提供し、検索順位を向上させる | サイトの技術的側面を最適化し、クロールやインデックスを改善する |
対象 | 記事、画像、動画、メタ情報などのコンテンツ | サイト構造、サーバー、HTML、CSSなど技術面 |
具体的な手法 | キーワードリサーチ、コンテンツ作成、内部リンク設置 | サイト速度改善、モバイル対応、セキュリティ強化 |
まずはテクニカルSEOで検索エンジンに正しく認識されるサイト基盤を作り、その後コンテンツSEOを強化してトラフィックを増やすのがおすすめです。両者をバランスよく実行することで、検索エンジンにもユーザーにも評価されるウェブサイトを構築できます。
コンテンツSEOのやり方
コンテンツSEOを実践する際は4つの手順があります。
- ペルソナ設定
- キーワード選定
- 構成&執筆
- 効果測定&リライト
それぞれ詳しく解説します。
ペルソナの設定
ペルソナ設定では、ターゲットユーザーを具体的に想定し、ターゲットに刺さるコンテンツ作成のために重要です。架空のユーザー像を設定すれば、コンテンツ制作の方向性を明確にできます。具体的な設定項目は以下の通りです。
基本情報 | 年齢、性別、職業、居住地 |
普段の行動 | 趣味、生活習慣 |
課題やニーズ | 解決したい課題、欲しい情報 |
購買行動 | 購入する際の決定要因、情報収集の方法 |
ただし、あくまで架空のターゲットであるため、実際の消費者行動とは異なります。リソースや予算の余裕があれば、実際のターゲット層に聞き取り調査・アンケートを行うと、より具体的なデータが得られるでしょう。
キーワード選定
キーワード選定では、ターゲットが検索しそうなキーワードで上位表示やコンバージョンを期待できるものを選びましょう。大前提として、記事の目的とサイトの目的を明確にしておくと、記事の方向性を統一できます。
例えば「クリニックへの来院、認知度向上のためのサイト運営」がサイトと記事の目的の場合、記事作成時に目的に沿った構成がしやすくなります。
リサーチでは、ターゲット層が使用する言葉か、記事の目的を達成できそうなキーワードか、という視点が大切です。また、関連キーワードや再検索キーワードを調べつつ、顕在ニーズ・潜在ニーズを漏れなく抽出するのが大切です。
構成&執筆
執筆では、記事の目的や検索意図に沿った一貫性のある文章を執筆します。ずれてしまうと、読者に全く刺さらず離脱しやすい記事になります。そのため、執筆前にはターゲットのニーズに沿った構成を作成しましょう。
また、ウェブ記事では、タイトルやリード文でいかに「読みたい」と思ってもらえるかが大切です。そのため、興味を引きつける構成、すぐに内容が理解できる文章構成が望ましいです。
記事の目的が「商品の購入を促したい」の場合、行動を促すCTAの設置も重要です。「購入はコチラから」や「今すぐカートに入れる」のように、文言によってもクリック率は変わるため、試行錯誤して適切な文言を記載しましょう。
効果測定&リライト
コンテンツSEOの効果を検証するために、Google AnalyticsやSearch Consoleを活用して効果測定を行います。確認するべき指標は以下の通りです。
検索順位 | 検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、Webページが検索結果に表示される順番。検索順位が圏外、極端に下がった時にリライトを考える。 |
自然流入 | 自然流入とは、検索エンジンの広告枠を除いた検索結果からWebサイトに訪問すること。流入数が減少しているページをリライト |
CTR(クリック率) | 広告や検索結果が表示された回数に対して、実際にクリックされた割合を示す指標。CTRが低い場合、CTAの文言やボタンの修正を検討 |
CVR(コンバージョン率) | Webサイトを訪問したユーザーのうち、特定の目標を達成した割合。CVRが低い場合、ユーザー体験の質は良いか適切なターゲティングが出来ているかなどを調査 |
直帰率 | Webサイトを訪問したユーザーが最初の1ページだけを閲覧して離脱した割合。何が原因で離脱されたか調査。 |
滞在時間 | ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでの時間。コンテンツが魅力的か、使いやすいサイトかを調査。 |
各指標の見方やツールは以下の記事で解説しています↓
効果測定の結果、検索順位やCTRが低い記事、情報の鮮度が低い記事は加筆修正しリライトを行います。また、Googleアルゴリズムのアップデートによって評価基準が変わるため、対応した記事作成が必要です。
コンテンツSEOの5つのメリット
コンテンツSEOには、5つのメリットがあります。
- 長期的な集客効果が得られる
- 潜在顧客にアプローチできる
- 広告費の削減につながる
- SNSとの相乗効果が得られる
- 信頼性の向上につながる
詳しく解説します。
長期的な集客効果が得られる
コンテンツSEOを続けることで、長期的な集客効果が得られることです。高品質な記事を上位表示し続けることは、例えるなら広告をずっと出し続けているイメージです。広告は掲載期間が終われば効果は途絶えますが、記事は資産となり、集客効果を発揮し続けます。この効果を得るために、時間が経っても価値を失わない高品質な記事を作成することが大切です。
潜在顧客にアプローチできる
コンテンツSEOは、潜在顧客に対してもアプローチが可能です。潜在顧客は、ニーズや課題を抱えているが、自社のサービスはまだ知らない層を指します。
ユーザーの「潜在的な悩み」や「漠然とした不安」を解消するコンテンツを提供することで、信頼関係を構築し、将来的な購買行動につなげることが可能です。
例えば「ストレッチ 効果がない」というキーワードでは、効果があるストレッチの悩みを解決するコンテンツの作成が有効です。この場合の潜在顧客の悩みは「悩みを解決できるサービスを知らない」というイメージになります。そもそも自分の悩みに気づいていない人も潜在顧客です。
広告費の削減につながる
コンテンツSEOは、初期のコンテンツ制作にコストがかかるものの、長期的には広告費を抑えつつ安定した集客が可能です。自然流入が増えることで、広告に依存する必要も減ります。広告ではリーチしにくい潜在顧客にも、検索エンジンを通じてアプローチが可能です。これにより、広告費をかけずに新たな顧客層を開拓できます。
SNSとの相乗効果が得られる
コンテンツSEOとSNSを組み合わせることで、より集客効果が期待できます。SNS自体は「nofollow」属性が付与されているため、SEOに直接的な影響はありません。しかし、被リンクの獲得、認知度の向上、サイテーションの獲得を通じて間接的にSEO効果を発揮します。
また、Google検索時のSERPsにSNSの投稿が表示されることも少なくありません。通常の検索時とは異なり、カルーセル表示されるためインパクトがあり、クリックされやすいです。
信頼性の向上につながる
常に上位表示されるとユーザーからの信頼性が高まりやすいです。さまざまなキーワードで上位表示していると「この分野の専門家」というイメージを持ってもらえます。
上位表示させる、信頼性を向上させる、の両方を達成するためには、EEATに基づいたコンテンツ作成が大切です。EEATは、経験、専門性、権威性、信頼性の4つを指し、Googleの検索品質評価ガイドラインの項目に含まれています。
たとえば、出典を明記し、信頼できる情報源を引用することや、著者情報を明記し、コンテンツの信頼性を高めることが挙げられます。
コンテンツSEOの3つのデメリット
コンテンツSEOにもデメリットはあります。
- 即効性がないため地道に続ける必要がある
- 分析に応じてリライトが必要
- コンテンツ作成にリソースが必要
詳しく解説します。
即効性がないため地道に続ける必要がある
検索エンジンが新しいコンテンツを評価するのに数ヵ月ほどかかります。評価過程は、クロール、インデックス、評価の過程です。検索ボリュームが大きいキーワードでは、常に上位表示している競合サイトが勝ちやすい環境になっています。そのため、新規参入のサイトが肩を並べるには相応の時間が必要です。
短期間で効果を出したい場合は広告の方がよいですが、少しずつSEO対策を進めると後から芽が出るかもしれません。そのため、コンテンツSEOは地道にコツコツ続けていくのがよいでしょう。
分析に応じてリライトが必要
コンテンツは定期的にリライトする必要があります。これは、アルゴリズムアップデートへの対応、情報の鮮度を保つため、検索順位やクリック率の改善などの目的のためです。ですが、サイトに数十、数百のコンテンツがあると定期的にリライトするのはかなり大変です。
ただし、リライトの基準を明確に定めておくと、効率的に進められます。例えば、最新情報が変わった、検索順位が11位以下、クリック率が明らかに減少したなどです。
コンテンツ作成にリソースが必要
コンテンツSEOでは、ターゲットユーザーの検索意図を満たす質の高い記事を作成する必要があります。しかし、コンテンツ作成には多くの工数がかかり、ライターやディレクターなどの人的リソースも必要です。
例えば、1記事4000文字のSEO記事を専門会社に外注する場合、キーワード選定から執筆までに数週間かかる場合があります。これは記事作成自体に時間がかかることも影響しますが、ライター、ディレクター、マーケター、クライアントなど多くの人が関わりコミュニケーションコストが必要になるためです。
一方で、フリーランスに依頼することでコミュニケーションコストを減らせ、数日程度で作成が可能です。また、内製化することでもリソースを節約できます。
コンテンツSEOを効率的に実践する方法
コンテンツSEOを実践する際は「社内・院内で内製化する」か「コンテンツSEOの専門家に外注する」かの2択があります。それぞれ詳しく解説します。
社内・院内で内製化する
コンテンツSEOを内製化することは、外注コストを削減し、自社の知見を蓄積するために有効です。ただし、内製化するためにはライターやディレクターの人材確保、作成過程の計画など体制を整える必要があります。
コストを抑えられ、知見を蓄積できる一方で、体制を整えるまでに時間がかかりリソースも必要になるのがデメリットです。
コンテンツSEOの専門家に外注する
コンテンツSEOを実施する際は、専門家に外注する方法があります。外注することで、時間とリソースを節約できます。費用はかかるものの、SEO対策は外注に任せて自分の仕事に集中することが可能です。
外注先の選択肢として、コンテンツSEO会社は費用が高い傾向ですが、実績が豊富です。一方、フリーランスは低コストで依頼でき、コミュ二ケ-ションコストも低いです。どちらにしても質にムラがあるため、選ぶ際にはお客様の声や実績、専門性等を確認しましょう。
よくある質問
コンテンツSEOに関してよくある疑問を紹介します。
コンテンツの更新頻度はどれくらいが理想?
理想的な更新費度は特にありません。そのため、自社で基準を決めることが大切です。
例えば、最新情報が変わったタイミング、検索順位やクリック率が低下したとき、Googleアルゴリズムアップデートに対応するときなどが挙げられます。
コンテンツSEOでやってはいけないことは?
コンテンツSEOでは、いくつか注意することがあるため、リストで紹介します。
- コピーコンテンツの使用
- キーワードスタッフィング
- 質の低いコンテンツの量産
- 生成A!を使用したコンテンツの作成
- 隠しテキストや隠しリンク
- 不自然な被リンク
- 検索意図を無視したコンテンツ
- ページ速度やモバイル対応を無視
詳しくは以下の記事で解説しています。
コンテンツSEOを強化して長期的な集客効果を得ましょう
クリニックの集客にはコンテンツSEOが不可欠です。コンテンツSEOとは、ユーザーの検索意図に応じた高品質な情報を提供し、検索エンジンの評価を高める手法です。ただキーワードを詰め込むのではなく、専門性や独自性のある信頼性の高いコンテンツを作成することで、アクセス数やコンバージョン率を向上させられます。
コンテンツSEOとテクニカルSEOを組み合わせることで、検索エンジンとユーザー双方に評価されるサイトを構築できます。まず、テクニカルSEOでサイトの構造を最適化し、その後、コンテンツSEOで価値のある記事を作成するのが効果的です。
実践方法としては、①ペルソナ設定、②キーワード選定、③構成・執筆、④効果測定・リライトの4ステップが重要です。また、長期的な集客効果や広告費削減といったメリットがある一方、即効性がなく、定期的なリライトやコンテンツ制作のリソースが必要というデメリットもあります。
内製化か外注かを選択し、自社に適した方法でコンテンツSEOを進めることで、長期的な成果を得ることができるでしょう。
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