マーケティング心理学|Webマーケティングへの活用方法~顧客の心を動かす~【後編】

Webマーケティング

マーケティング心理学の後編になります!

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返報性の原理|相手の好意にお返ししたくなる

返報性の原理とは「他人から何かをもらうとお返ししたくなる」心理効果です。
例えば、商品を購入するつもりはなかったけど「店員の接客が丁寧でつい買ってしまった」という方も多いでしょう。このように、人から良くしてもらうと無意識に「お返しをしたい」という気持ちになります。

もう一つ営業を例に挙げます。例えば「10万円の商品を売ってきなさい」と言われた時に、「10万円で売ります」というとおそらく断られやすいです。しかし、言い方を変えて「通常20万円の商品を今回は特別に10万円で販売します」とするとどうでしょうか。
譲歩してくれたんだと感じ、要求を受け入れてもらいやすくなります。
このように「大きい要求」をした後に「小さい要求」をする事を「ドアインザフェイス」と言います。相手の承諾を得やすくなる手法です。

ちなみに返報性の原理は4つのパターンがあります。「好意」「敵意」「譲歩」「自己開示」の4つです。好意に限らず、敵意も帰ってきますので日頃の行動にはご注意を。「目には目を、歯には歯を」と似ています。

アンカリング効果|はじめに提示された情報を基準として評価

アンカリング効果とは「はじめに提示された情報を基準に他の情報を評価」する心理効果です。名前の通りはじめの情報がアンカーの役割を果たします。
効果的にアンカリング効果を活用するには「数値」と「単位」が必要になると言われています。理由は、単位を付けることで数字に意味を与えるからです。「200」という数字だけ提示されてもよくわかりませんが、「200円」と聞けば安いんだなと想像できます。

例えば、家具屋さんで「通常価格10万円のベッドが、今ならセールで5万円!」と書いてあったらお得だと思いますよね。
また、極端な例ですが「1000万・900万・50万」の3つの商品があるとします。
このとき「50万円」に対してはアンカリング効果が働きますが「1000万」と「900万」は「50万円」に比べて極端に大きく、アンカーとなりません。
それはもっともらしい数値まで「調整」され、その後調整された値と比較する段階でアンカリング効果が起きるからです。
「参考」アンカリング効果の発生に必要な要素の検討
「参考」アンカリング効果のメカニズムにおける「カバー効果」の検討

マーケティングへの応用例

  • メーカー希望小売価格:「メーカー希望小売価格6000円のところ4980円で販売」とお得感満載です。
  • 見積書の値引き欄:値引きなしの物を提示した後に値引きしたものを提示することで安いと思ってもらいやすくなる。
  • 商品・サービスの価格設定:5000円のプランを一番売りたいと思うときに、1万円のプランも加えることで5000円のプランがお得に感じます。

ディドロ効果|身の回りの物を統一したくなる

ディドロ効果とは「新しく購入した製品で新しい価値を得た時に、身の回りも一新したくなる」心理効果です。例えば、家具屋さんでは同一シリーズの家具が一緒に展示されていたりします。これはディドロ効果を狙った購買行動を促す手法です。ブランド品は特に統一して身に着けている方が多い印象です。また、スマホゲームなどで「限定キャラを全部揃えたいから課金する」というのもディドロ効果によるものと考えられます。

松竹梅の法則|真ん中の選択肢を選びやすい

松竹梅の法則とは「3つの選択肢があったときに真ん中を選びやすい」心理効果です。
これは料金によって効果は違いますが、一番安い選択肢には「損失回避」一番高い選択肢には「極端性回避」が働き、真ん中の選択肢が選ばれやすくなります。
選択肢が2つや4つ以上だとあまり効果がありません。2つだと高いか安いかで判断する傾向があり「安いほうを選びやすい」です。4つ以上だと「選択回避の法則」の心理効果が働き、買わない選択肢を選ぶ可能性があります。

松竹梅の法則を用いて値段設定をするときは、最低価格の物に少し足せば高品質の物が手に入ると感じさせる価格にすることが大事です。一番高い商品は高級感を出すために高めに設定します。

フレーミング効果

また、松竹梅の法則に影響する要因として「フレーミング効果」があります。
「品質」「機能」「価格」といった様々な角度のフレームから見るため、何を重視するかで人によって選択はバラバラになる効果です。

ハロー効果|一部の印象に引きずられ全体の評価をする

ハロー効果とは「対象を評価するとき、一部の特徴的な印象に引きずられて全体を評価してしまう」心理効果です。例えば、好きな人に対しては欠点も長所に見えます。この場合、好意的な印象に引きずられて全体を評価しています。採用面接では、出身校や履歴書の内容が評価に影響することもあります。高学歴や資格が多ければ採用されやすくなるかもしれません。

マーケティングに活かすときには、例えばテレビCMで有名人を起用することでハロー効果を狙った戦略になります。また、医療系の商品では「医師が推薦しました」と文章を入れることで「医師が推薦しているなら安心」と購入する人が増えます。

ツァイガルニク効果|途中で中断した事の方がよく記憶に残る

ツァイガルニク効果とは「達成できたことより達成できなかったことや中断していることの方をよく覚えている」心理効果です。例えば、テレビでは正解発表前にCMを挟んで視聴者の興味を引き付けます。そうすると正解が気になって最後まで見ようって気持ちになります。

マーケティングでは「続きはWebで」のように表示すると続きが気になりWebへ飛ぶ人が増えるでしょう。このようにあえて全てを明かさずに視聴者の記憶に強く残すことがマーケティングに有利に働きます。「続きは次回!」「続きは動画で!」なども有効です。

ベビーフェイス効果|赤ちゃんってかわいい

ベビーフェイス効果とは「大きい目や丸い顔など、赤ちゃん特有の特徴を見ると自然と警戒心が緩む」心理効果です。赤ちゃんじゃなくてもかわいい動物などで同様の効果が期待できます。広告や商品パッケージに使用することで、好印象を抱きやすくなり売り上げに影響を与えます。ただ、マッチしない商品では意味がないため、ベビーフェイス効果はイメージにあった商品に適応しましょう。主にベビー用品、化粧品などに活用されます。

損失回避の法則|人は得より損をしないことを選ぶ傾向

損失回避の法則とは「人は得より損をしないことを選ぶ」心理効果です。人は喜びよりも損を被った際の痛みを大きく感じるため、利益のための行動より損を避ける行動を起こしやすいです。「得をしたい」と思っても「損をする方が怖い」と一歩前に進めない人は多いです。

  • 利益を得られるとわかっている場合、その利益を逃すことを損失と感じる
  • 損失を被るとわかっている場合、できるだけ損失を少なくしたいと考える
  • 損得が分かれる場合、損失のリスクを回避しようとする

と考えやすいです。
ただ、育った環境や国民性など個人差はあります。

このように「何が損になるか」を予測して行動する傾向があります。
つまり、マーケティングにおいては損を回避・解消できることをアピールすると良いです。

usagi

webライターをしているうさぎと申します。
元理学療法士です。バレーボールの指導なども行っていました。
ジャンプ力130㎝目指して筋トレ頑張ってます!

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